20-初海外旅行の気付きその2…アメリカ人は大食い!?の時代錯誤な勘違い。
今時28年間も日本国外に出たことがなかったワタシ。この28年という期間は誤った価値観を形成するには十分な時間だった。例えば、アメリカ人は大食いという決めつけ。皆さんもよくアメリカ人の食事風景をTVやメディアで見る機会はないだろうか?私はそのような光景を見るたびにこう思っていた。
「アメリカ人はこんな大量の食事をよくもまあバクバクと食えるもんだ。だから太るんだよ。さすが肥満大国アメリカ。メリケンまじやばい!」
この決めつけ。初の海外旅行、現地で誤った認識だったことを知った。渡米してアメリカ南部に降り立ち、アメリカ人妻とその両親と対面してからメキシコ料理店に夕食を食べにいった時のことだ。
初の海外。当たり前だが周りはアメリカ人ばかりの店内。郊外の店だからかアジア人は店の中に私だけ。このような状況で出される種々のアメリカのレストラン料理。コップのデカさも去ることながら量の多さにもまず驚く。ふっ・・ここまでは予想通り。想定の範囲内ってやつだ。流石アメリカ。全てがデカいんだなと。そして困ったことに空港の機内食ですでに満腹だった俺は緊張も相まってかほとんど食事に手を付けられなかった。日本男児、いや日本人的な食事教育を受けてきた人ならわかるだろう。出された食事は残さず食べるMOTTAINAI精神。
その流儀に反することを反省していたところ、ここで妻と義母の皿を見渡してみる。すると全ての料理を完食しているわけではなかった。義父は出された食事をぺろりと完食していたが(笑)。そこに義母が一言ウェイターに声をかける。
「取り皿はある?」
そう、アメリカでは外食で食べ物を残すことは普通。恥ずかしさを感じることは特になく、みんなでドギーバッグに食べ残しの食事を入れて持ち帰った。ここで自分のアメリカ人、いやアメリカ全体に対する誤解を痛感することになった。別に大量の食事をその場で食べているわけじゃないじゃん、と。
前述の考えは日本でしか生活して来なかった人間の恥ずべき「決めつけ」でしかなかった。この決めつけに気づいてから自分が考えていた間違った思考が日本に訪れたことがない外国人が抱く日本人像に通ずるものがあると思った。例えばこのような感じだ。
「日本人は全員空手の有段者。ワンピースを全巻読破していてパソコンオタク」
そう、時代錯誤も甚だしい勘違いだ。だが、同様な勘違いを平然とやってのけていた日本人のワタクシ。俺自身、空手はやったこともないし、ワンピースも読書途中で挫折。パソコンに詳しいわけでもない。しかし、見聞きしたことがない事物や事柄に対する大雑把なイメージとしてこのようなイメージも形成されることもあると思う。初めて海外に行って感じたこのような壮絶な勘違いは日本にしか目を向けていなかった俺にとって大きなカルチャーショックを含んだ視座になった。
海外旅行で起こった突発的な出来事。今までは空想の範囲でしかないものが現実のモノとなる。そんな他人事が自分事に変わる経験をアメリカ人妻との付き合いを通じて経験させてもらっている。そしてその種々の経験から学んで、咀嚼して、自分の経験に取り入れる。そうすることで国際結婚後の夫婦生活が円滑化する。そう俺は信じている。